ブックレビュー 冒険投資家ジムロジャーズ

冒険投資家ジムロジャーズ

世界バイク紀行
Jim Rogers INVESTMENT BIKER
ジムロジャーズ 林康史+林則行=訳
 
この本は知人から誕生日プレゼントとして頂いたものです。
 
著者はアメリカ三大投資家の一人と呼ばれています。
旅を通して、世界を見て投資していく実話をもとに書いたノンフィクションです。
旅好きな私にとっては好感と共感を持てる作品となっていました。
 
投資家といえば、財務決算書や新聞を読み、いい投資先を探しているというのが一般的な印象です。しかし著者はそれに加えて、現場まで自身の足で行き、株だけに留まらず幅広い現物商品にも投資している投資家です。
 
著者は自分自身をトレーダー(trader)ではなく投資家(invester)と称しています。その理由は自身の哲学と歴史の知識から人々の行動を予測し、そこに先行投資という長期投資の方法を得意としているからでした。10年の間に3365%のリターンを得るという驚異的な数字を叩き出しています。1万円が10年で3365万円です。
 
アフリカは南に行けば行く度通貨が安定し、インフラも整っている。
1980年トルコの都市はタダ同然とされていた1エーカー(約4000平方メートル)20ドル程
ヨーロッパは北アメリカに進出するか南アメリカに進出するか迷っていた。
など、そうだったのかということも数多く出てきて、歴史的にも大いに勉強になりました。
ちなみにトルコの安い土地を発見した時に、著者は買いませんでした。なぜなら売りたい時にすぐに売れるものにしか投資しない方針だったからです。
 
1度目はバイクで、2度目は車で著者は2回世界1周旅行をしています。
本書は1度目のバイク旅行についての話でした。
 
「バイク旅を誰かとするということはお互いに近い所で生活するわけで、イライラさせるものだ。一方の旅行者にとっては必要な休息が、もう一方の旅行者にとっては耐え難い遅れとなる」
という、そうだよなと思える一面も見れます。
 
本書の中でも「人生においては何をすることもできるが、全てのことをすることはできない」という言葉に、長年の人生観が詰まっていると感じました。
世界を俯瞰できる目線は素晴らしいと感じます。